アスベストの恐ろしさ
その問題は今でも続いているのです。
空中に飛散したアスベストを吸入すると、
肺線維症、悪性中皮腫などの原因になり、肺がんを起こす可能性がある。
WHOの報告
アスベストによる健康被害
即時的にあらわれるのではなく、吸入から長い年月を経て表面化します。
吸入から平均35年前後という長い潜伏期間を経て、石綿(アスベスト)肺、肺がん、悪性中皮腫などの健康障害を引き起こすことから「静かな時限爆弾」と呼ばれているのです。
石綿(アスベスト)肺
発症まで10~15年の潜伏期間
肺が線維化してしまう肺線維症の一つ。肺線維症は、アスベストのほか、粉じん、薬品なども原因となりますが、アスベストが原因の肺線維症を石綿(アスベスト)肺と呼びます。初期症状の軽い息切れと運動能力の低下から次第に呼吸が困難になり、患者の約15%は重度の息切れや呼吸不全が起こるといわれています。アスベスト粉塵を10年以上吸入することで起こります。潜伏期間は
肺がん
発症まで15~40年の潜伏期間
アスベストの肺がん発症メカニズムは解明されていない部分もありますが、肺細胞に石綿(アスベスト)が入り込むことで肺がんが発生するとされています。一般的な症状としては持続性の咳、性状が変化する慢性的な咳があります。ばく露量が多いほど肺がんの発生率が上がるといわれています。
悪性中皮腫
発症まで20~50年の潜伏期間
肺を取り囲む腹部や胸壁の内側を覆う腹膜や心臓及び大血管の起始部を覆う心膜等にできる悪性の腫瘍です。若い時期にアスベスト(石綿)を吸い込んだ人が悪性中皮腫になりやすいといわれています。最もよく見られる症状としては、持続する胸痛みと息切れがあげられます。アスベスト(石綿)の健康被害は、年々増え続けているのです。厚生労働省の統計によるとアスベスト(石綿)の輸入量が増加した1960年から平均40年といわれる潜伏期間を経た時期に健康被害の患者数が急増していることがわかります。
中皮腫で亡くなられた方は、2017年には1,555名にものぼり、その数値は1995年の3倍以上です。
アスベスト(石綿)問題は、終わったことではなく、まさにいま進行している問題なのです。
危惧されるアスベスト問題
アスベストの危険性があきらかになり、その使用や製造が禁止され、新たに作られる心配はなくなりました。
ところが、アスベストが使われた建築物はまだ数多く残っており、それらの建築物が老朽化を迎えています。
ココに注意
これらの建築物を改修・解体する際に、アスベストが飛散し、解体工事従事者や近隣住人への健康被害が広がることが、いま大きな問題として取り上げられています。
アスベストの3つの問題点
輸入アスベスト(約1,000万t)のうち80%が建築資材!
アスベストは目に見えないので、大気飛散してしまう!
アスベスト健康被害は潜伏期間が長く今でも患者が増加!
アスベストとは
アスベストとは、無機繊維状鉱物の総称です。
蛇紋石や角閃石が繊維状に変形した天然の鉱石で、「せきめん」「いしわた」とも呼ばれています。石綿繊維は加工しやすく、耐久性、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性などの特性に優れ、安価であることから、建築工事では保温断熱の目的で吹付工事に多く使用されてきました。
ところが、アスベストの危険性があきらかになっていきます
石綿(アスベスト)の繊維は直径0.02-0.35 μm(髪の毛の5,000分の1)程度と非常に細くて空中に飛散しやすい
飛散した石綿繊維を長期間吸入すると肺がんや中皮腫の誘因
その結果、その危険性から1975年に吹き付けアスベストの使用が禁止されました。その後も、スレート材、ブレーキパッド、防音材、断熱材、保温材などで使用されましたが、
現在では、
原則的には製造等が禁止されています。
アスベスト処理について
国が認めているアスベストの危険性ですが、残された建築物のアスベスト処理はどのように行うべきでしょうか?
アスベスト処理には、さまざまな方法があります。アスベスト処理には、さまざまな方法があります。また、アスベストレベルによって必要な対策が変わります。
適切な方法で行えば、その危険性を取り除いて安全に処理することが可能です。
アスベスト処理を行う業者は、数多く存在しますが、残念ながらコスト削減のために、安全対策が充分でない方法で行う業者がいるのが現実です。
アスベストの危険性を充分理解し、安全性を確保した適切な方法で方法でアスベスト処理を行いたいものです。