負圧集じん・排気装置の必要性
大気汚染防止法の作業基準によって、隔離措置・セキュリティゾーンの設置と、負圧集じん・排気装置の設置が義務付けられています。
アスベスト除去のために隔離した作業場の換気が必要な理由
石綿濃度を低下するため
作業場内部を負圧に保つことで空気を外に逃さないため
引用:環境省 「石綿飛散防止技術にかかわる機器等とその保守管理」
マイクロマノメーター(精密微差圧計)によって、負圧集じん・排気装置による作業場内の負圧状態を記録します。
負圧集じん・排気装置で吸引された汚染空気は、一次フィルタ、二次フィルタでろ過された後、HEPAフィルタでろ過して空気を清浄化して外部へ排出されます。
作業場内の空気を1時間に4回以上換気できる台数を用意する必要があります。
排気ダクトの長さや曲がり具合等の排気ダクトの圧力損失を考慮した上で装置の排気能力を設定し、作業場の負圧が、-2から-5Paを目安として負圧集じん・排気装置を設置します。
必要台数の計算
負圧集じん・排気装置の点検修理
機材の点検修理は、ばく露防止のため、負圧環境下の作業場内、またはセキュリティーゾーン内の前室で行うことを原則とします。
外部で点検修理を行なう場合は、負圧環境下の隔離された作業場内又は汚染除去室で汚染を除去した後、0.15mm以上のプラスチックシートで二重に梱包し、点検修理を行なう場所に輸送します。
点検修理を行なう場所では、隔離、負圧、湿潤化、個人用保護具着用等、粉じん漏出防止対策と個人ばく露防止対策を充たすことが必須が必須です。
負圧集じん・排気装置チェックポイント
フィルタの目詰まり
HEPAフィルタの破損
エア漏れ
ボルト・パチン錠のゆがみ
電気コードの断線
パッキンの破損・ゆがみ
フィルタ交換の目安
- 1次フィルタ・・・3~4 回/日程度
- 2次フィルタ・・・1回/日程度
- HEPAフィルタ・・・ 500時間程度
引用:環境省 「石綿飛散防止技術にかかわる機器等とその保守管理」
負圧集じん・排気装置に差圧計が取り付けられている場合は、差圧計が示す圧力損失数値に基づいて交換します。フィルタの廃棄については、飛散防止剤等で安定化してから廃棄袋に入れ、二重梱包して特別管理産業廃棄物として処理します。
HEPAフィルタとは
負圧集じん・排気装置、高性能真空掃除機、エアシャワーの最終ろ過層として使用されています。HEPAとは、「High Efficiency Particulate Air filter」の略。
直径1~10μm以下のガラス繊維でできていて、0.3μmの粒子に対し99.97%以上捕集する性能を持っていますが、とても傷付きやすいのが特徴です。目視ではわからないような小さな傷でもアスベスト粉じんの漏洩につながるため、フィルタ交換時には細心の注意が必要です。
フィルタ交換手順
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1仮囲い設置
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2負圧集じん・排気装置固定
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3真空掃除機設置
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4交換フィルタ準備
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5保護具装着
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6室内湿潤化
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7フィルタ取り外し
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8廃棄フィルタ密閉
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9負圧集じん・排気装置清掃
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10フィルタ取付
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11仮囲い内清掃
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12保護具廃棄
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13仮囲い撤去
負圧集じん・排気装置の搬出
アスベスト除去で使用する機器
隔離用資材 隔離シート ポイント アスベスト処理作業場を隔離するためのシート。材質は一般的にポリエチレンで、床は厚み0.15mm以上のシートを二重に、壁面は厚み0.08mm以上 (実寸0.1mm) のシートを一重にして使用する。 シートにアスベスト(石綿)が付着したときは、粉じん飛散防止処理剤を表面に散布し、アスベスト(石綿)の再飛散を防止する。使い捨てとし、廃棄時は廃棄袋に、飛散抑制剤等で安定化、二重こん包で特別管理産業廃棄物として処理する。 グローブバッグ ポイント 腕を入れるためのグローブと一体化し ...
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アスベストの基礎知識
2021/1/24
アスベスト対策で使われる用語
石綿 アスベストのこと。「イシワタ」と読むが「セキメン」と読む場合もある。 成型板 セメント、けい酸カルシウムなどに補強繊維材を混合して成形したもの。 耐火被覆 鉄骨の梁や柱などの構造材を耐火性の高い材料で覆うこと。 中皮腫 肺を取り囲む腹部や胸壁の内側を覆う腹膜や心臓及び大血管の起始部を覆う心膜等にできる悪性の腫瘍。 石綿(アスベスト)肺 肺が線維化してしまう肺線維症の一つで、アスベストが原因の肺線維症。 グラスウール ガラスが原料の人工の鉱物繊維。断熱材や吸音材として使用される。 ロックウール 岩石が ...
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2021/1/24
アスベスト関連リンク集
厚生労働省 アスベスト(石綿)情報 アスベストに関するQ&A 労働安全衛生法関係の法令等(石綿) 石綿飛散漏洩防止対策マニュアル 厚生労働省・国土交通省・環境省「石綿を含有する建築物の解体等に係る届出について 」 建築物等の解体等の作業における石綿対策<改正石綿障害予防規則の概要>(平成21年省令改正) 環境省 石綿(アスベスト)問題への取組 解体等工事を始める前に 建築物の解体等に係る石綿飛散防止対策マニュアル「石綿飛散防止技術にかかわる機器等とその保守管理」 石綿含有廃棄物等処理マニュアル 建 ...
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負圧集じん・排気装置の搬出
アスベスト除去作業が終了後、 アスベスト(石綿)が飛散しないために細心の注意をする必要があります。 集じん・排気装置の搬出手順について確認をしておきましょう。 負圧集じん・排気装置の搬出のながれ 隔離養生の撤去前に、集じん・排気装置の停止し、1次・2次のフィルタを取外して装置内部を高性能真空掃除機等を用いて清掃する。HEPAフィルタの交換時期が近い場合は、同時に交換する。 交換時、目視で隙間がないか確認し、スモークテスター等を用いてフィルタ面以外からの吸い込みがないかを確認。 確認した項目を整備点検表,整 ...
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アスベストの基礎知識
2021/1/23
アスベスト除去チェックリスト
アスベスト(石綿)含有建材除去において、 安全性保持のために環境省が基本事項チェックリストを作成しています。 アスベスト除去の際に必要な届出や対策に漏れがないようチェックリストをご活用ください。なお、地方公共団体の条例等に個別にマニュアルを作成している場合がありますので、作業前には必ず、作業現場のある該当地方公共団体への確認をおこなってください。 ポイント 大気汚染防止法に係る連絡先:都道府県知事 石綿障害予防規則に係る連絡先:労働基準監督署等 表紙 PDFで見るにはコチラ 事業者の責務 PDFで見るには ...
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