平成26年6月1日に大気汚染防止法の一部が改正され、建築物・工作物の解体工事等に伴うアスベスト(石綿)飛散防止対策が強化され、届出義務者が、工事の施工者から工事の発注者に変更になりました。
アスベストを使用した建築物を解体する際には、現地調査による分析結果の書面報告が義務付けられています。
さらに調査結果を保管するだけでなく、工事現場に掲示する必要があります。
これらの法改正により、工事発注者の責任が強化されていることに留意する必要があります。
アスベスト解体処理に必要なステップ
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1アスベスト処理事前処理[一次調査]
設計図書等をもとに、アスベストを使用した建材がないかどうかを調査します。
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参考アスベスト処理事前調査[一次調査]
建物の解体や改修をする場合、石綿障害予防規則(石綿則)第3条で、アスベスト事前調査が法律で定められています。 アスベスト事前調査は2種類 アスベスト処理事前調査[一次調査] 設計図書等の書面でアスベス ...
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2アスベスト処理事前処理[二次調査]
目視、ヒアリング等をもとに現地でアスベスト有無の確認。不明な場合は、試料採取し、分析調査を行います。
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参考アスベスト処理事前調査[二次調査]
建物の解体や改修をする場合、石綿障害予防規則(石綿則)第3条で、アスベスト事前調査が法律で定められています。 アスベスト事前調査は2種類 アスベスト処理事前調査[一次調査] 設計図書等の書面でアスベス ...
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3アスベスト劣化診断
アスベスト処理工事の必要性やアスベスト処理工事の工法を決定するための劣化診断を行います。
劣化診断ポイント
アスベスト表層の毛羽立ち
アスベスト繊維のくずれ
アスベストたれ下がり
下地間の浮き・はがれ
アスベスト層の損傷・欠損
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4官公庁各種届出
レベル1、2に該当する場合、必ず事前に届出が必要です。レベル3の場合、届出は不要ですが、事前調査や作業計画策定、工事事前連絡は必要です。
アスベスト使用の建築物の解体においては、作業基準の遵守が義務付けられています。
前述のように届出義務者が、工事の施工者から工事の発注者に変更になっています。解体工事を発注する場合、遵守妨害(過剰な値引交渉や工事期間の短縮など)に該当することのないようにしなければなりません。
発注者は、届出によって届出先や期日が違うこと、地方自治体の条例によって必要とされいる届出があることに留意し、確認の上必要な義務を漏れなく行うことが大切です。
届出の種類
- 事前届:都道府県知事
- 工事計画届:所轄労働基準監督署
- 建築物解体等作業届:所轄労働基準監督署長
- 特定粉じん排出等作業届書:都道府県知事
引用:厚生労働省「石綿を含有する建築物の解体等に係る届出について」
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参考要チェック!アスベスト解体に必要な届出
アスベスト解体に必要な届出 建築物の解体・補修等を行うときには、アスベストの有無を確認する必要があります。特定建築材料が使用されている場合、大気汚染防止法、環境確保条例等により事前の届出が必要です。 ...
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5アスベスト処理工事
アスベストの調査・診断から適切な工法を選択し、アスベスト解体・改修工事を施工します。工事施工時には、「石綿ばく露防止対策等の実施内容」を作業現場のに掲示する必要があります。
石綿ばく露防止対策等の実施内容の掲示例については、厚生労働省によって例示されているので参考にしてください。
厚生労働省:建築物等の解体作業等における石綿のばく露防止対策等の掲示について
アスベスト処理工法の種類
- 除去工法
- 封じ込め工法
- 囲い込み工法
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参考アスベスト処理工法
建築物の事前調査でアスベストが有ると判断された場合、アスベスト処理を行う必要があります。主な処理方法は3つ。「除去工法」、「封じ込め工法」、「囲い込み工法」です。それぞれの特徴を知り、どの処理方法が一 ...
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6産業廃棄物処理
除去したアスベストを「飛散性」「非飛散性」に応じて処理します。
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参考アスベスト廃棄処理
解体・改修工事のアスベスト処理で出たアスベストを含む廃棄物は、飛散性の「特別管理産業廃棄物」と非飛散性の「石綿含有産業廃棄物」に分けられ、廃棄物処理法の規定により廃棄処理の方法が変わります。 アスベス ...
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