アスベストを含む建築物の老朽化がすすみ、
アスベスト除去工事を必要としている建築物が増えています。
インターネットで検索すると、アスベスト除去や解体工事業者は数多くヒットします。費用を抑えてアスベスト除去、解体・改修を行いたいというのが正直な気持ちでしょう。
アスベスト除去工事については、「労働安全衛生法(石綿則、安衛則)」、「大気汚染防止法」をはじめとして非常に多くの法令規制が関係します。
安全性を守るために、アスベスト除去工事をする前の事前調査、アスベスト除去作業場設置、解体後の廃棄物処理に至るまで、細かな法令規制が定められているのです。
多くの解体業者は法令を遵守してアスベスト解体工事を行っていますが、残念ながら下記のよう業者がかなり多く存在するのも事実です。
- アスベストの危険性への意識が低い工事業者
- 知識が不足している業者
- 安全性についての認識がありながらもコスト重視で不正を行う業者
アスベスト(石綿)の飛散による健康被害のおそろしさは、多くのメディアでも取り上げられていますが、間違った解体業者を選んでしまうことで被害を拡散しないよう、解体業者を慎重に選ぶことをお勧めします。
アスベスト除去業社選び3つのポイント
「石綿作業主任者」の在籍確認
アスベスト除去工事には、国家資格である「石綿作業主任者」が必要です。石綿作業主任者は、アスベストに関する知識、除去方法、関係法令についての技能講習を受ける必要があります。業者を選ぶ際には、必ず「石綿作業主任者」資格を持つ人が在籍しているかどうかを確認しましょう。
複数の業者に相談
一社でしか見積もりを取らずに決めてしまうと、その業者の判断に知識が不足していり、場合によっては不正行為がなされていても気づくことができません。アスベスト処理はのアスベストレベルによって、届出やアスベスト処理の方法が変わってきます。アスベストレベルは、レベル1~3があり(詳しくはコチラ)レベル3の場合、危険性が低いとされ届出や作業工程が簡易になります。複数の業者に相談して、担当者の判断に相違があった場合は、説明を求めることで正しい判断をすることができます。見積もり価格だけで決めるのではなく、アスベスト処理の方法や法的な根拠について、納得できる説明をしてくれる業者を選びましょう。
公的機関に受理された実績
建築物を解体・改修する場合、事前にアスベスト調査を行い、その報告書を公的機関に提出することになっています。検査結果によって、解体におけるアスベスト処理が変わってくるため、正確な調査と不正のない報告書を作成することが必須です。法令や規制は、たびたび改正されるため、最新の検査基準についての情報収集がされていないと、公的機関に受理されません。公的機関に受理された報告書の実績を確認することが、業者の信頼につながります。
発注者の責任が問われるように
以前は、アスベスト処理の必要な建築物の解体において違法処理が行われた場合、受注業者が罰せられることがあっても、発注者の責任は問われませんでした。ところが、アスベスト処理での不正が横行したことにより、平成26年6月1日に大気汚染防止法の一部が改正され、届出義務者が、工事の施工者から工事の発注者に変更となり、発注者責任が問われるようになりました。
経費をかけたくないために、アスベストの含有を隠したり、業者が不正をしていることに気づかぬふりをしたりすると、その責任は発注者が問われ、「知らなかった」では済まされなくなっているのです。アスベスト(石綿)の適切な処理をしないことは、大きな健康被害に繋がります。豊富な知識と実績を持った誠意ある業者選びをしたいものです。